10月12日は、有限会社田中林業 専務取締役 田中 佑樹 さまにお越しいただきました!
1.有限会社 田中林業
有限会社田中林業は、昭和30年頃に田中専務の祖父が創業し、平成13年に現在の「田中林業」に名称を変更、平成16年に法人化しました。山に入り、「間伐」を主に行っている会社です。
木は植えてから収穫するまで、50年、100年と長い時間かかり、その長い期間の中で、草を刈って、枝を切って、そして間伐をして収穫するという流れになりますが、現在、日本の森林のほとんどは間伐をする時期を迎えています。田中林業は、「間伐」という仕事を通して、日本の森林をより良くし、木の生育を助けています。山がなくては人間の生活も成り立たないので、山をより良い状態で次の世代につなげていく、まさに未来を創る仕事をされています。
2.林業とは
「林業」という言葉、普段よく耳にする大変身近なお仕事ですが、説明するとなるとパッと出てこない、奥の深いものであります。そこでこの貴重な機会に、改めて田中専務から林業についても説明していただきました。
林業というのは、主に森林に入り、樹木を伐採することによって、木材を生産する産業になります。木材の生産以外にも、薪や木炭、うるし、 竹、椎茸といった特用林産物というものも林業に含まれます。森林資源を育成し、森林の持つ公益的機能というものを保持する役割も担っている、とても幅が広いお仕事です。公益的機能には様々ありますが、身近なものでは土砂災害の防止をする機能や水を山に貯める機能があります。
特に人工林については、人間が植えたものですから、人間が1から10までしっかりと手入れをする必要がありますが、そこで最初に話した「間伐」が重要になります。育ちの悪い木、枯れかかった木を伐採することで、薄暗かった山の中に光が入り、光が地面まで届くと新しく草が生え、生えた草のおかげで、水が流れても土砂が流れなくなるのです。また、間伐をすることによって木が光合成をするので、二酸化炭素を吸って酸素を吐き出します。その二酸化炭素の「炭素」の部分を木は養分として取り入れるので、木もどんどん成長していきます。
普段外部の方に説明する際に使う資料を持ってきてくださった田中専務。これが本当に分かりやすいのです。
楠モンもびっくり。
3.田中専務のお仕事
田中専務は、事務所の中での経営管理や、山に入っての森林の管理、調査等、大変幅広くお仕事されています。小さな頃から父親の仕事に付いて行き、山に入りあちこち歩き回って木の実や動物を見つけたりしていたので、そういう山を身近に感じる生活の中で、自分も将来は父親のように林業の仕事に携わりたいと、中学生の時にはイメージを持っていたそうです。
平成20年には「全国森林施業プランナー」研修に参加し、認定全国森林施業プランナーとしても活躍しています!この資格を持っている方は、山に木がどのくらい生えているかを調査し、そしてその山で仕事をする際にどれくらいの経費がかかるかを計算して、山主さんから費用をいくらいただくのか、あるいはお金が残った場合、いくらお返しすることができるのかといった森林に関するトータルプランと山の将来を描くスペシャリストです。特に田中林業さんは、民間の方から森林の委託を受けている企業としては規模も大きく、全国的にも稀有な取り組みが注目をいただいて、関東方面で講師活動もしています!
4.変わってきている森林の管理
これまでは山を持っている方が林業をしているイメージがありましたが、田中林業さんの事業からも分かるように、近年は、実はそうではなくなってきています。山を所有している方は高齢化が進み、実際に山に入ることはできず、そもそもこの山が誰の山なのか所有者が分からない場合も少なくありません。そういった山も田中林業さんで調べて、遠くに住む息子さんなどにお話を取り次いで、山を管理させていくださいとお願い・提案して管理しているのが現在の林業のスタイルであります。ニュース等でよく放送される光景でありますが、持ち主が分からず山が荒廃して危ないといったことも増えてきています。
そして「管理」とは言いますが、実際に「管理料」をいただいているわけではなく、作業する際の作業費をいただいている程度になります。管理を委託する側もハードルが低く感じますね。加えて、「地球温暖化防止対策」といった重要な側面もあるので、間伐は現在国が補助金を出しており、補助金と木を間伐し運び出して、木材として得た収入を合わせ、そこから作業費を引くと、実はお金が残ることもあり、余ったお金は山主さんに還元金としてお返ししています。そのため、田中林業で管理をしている山主さんでは、喜んでいる方も多くいらっしゃいます。
意外と普段なかなか聞くことのできない林業の仕事内容について詳しく話してくださる田中専務に、楠元さんも
ジェスチャーを交えてお返ししています。
5.そのほか様々な事業へ取り組んでいます
(1)災害復旧に大きく貢献
災害復旧にも多大な貢献をされており、具体的には、風などで倒れた木の処理事業を行っています。田中林業さんで管理している山も、50haほどが台風の被害を受けていますが、これまで2年間かけて、20haほどは全部一回切り出して、また一から植えるなどの作業で復旧してきました!しかし、まだまだ荒れて残っている部分も多く、そういった森林に関する災害への復旧も受け付けています。
(2)薪の販売
最近新しく建てられる家を見ていると、煙突があるのを見かけることはないでしょうか。実はその煙突、薪ストーブ用のものが多く、薪ストーブの需要が徐々に増えてきているのです。個人でピザ窯を持つ方もいらっしゃるなど、薪を必要としている個人の方は田中林業で購入することができます!
(3)学校関係の研修受け入れ
年に1回ほどですが、川内商工高校インテリア科や、れいめい高校土木科の学生さんに会社の現場の状況を見ていただいて、木材として家で使われるまでの過程などを学んでいただいています!もちろん田中林業さんでは最先端の林業を学ぶことができますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひご参加してみてください!
6.11月19日(日)開催 産業祭&JAフェスタでは、大人気の丸太切り体験をします!
今年は11月19日(日)開催の産業祭&JAフェスタでも、林業のパネル展示、ビデオの上映に加え、大人気の丸太切り体験を行います!この丸太切り体験、子どもは毎年大喜びで、田中林業さんでは、一人できるのこぎりだけでなく、二人で引っ張るのこぎりを用意しており、親子で仲良く体験することができます。なかなか二人で切れるのこぎりは無く、親子で楽しめるとても貴重な機会です。
そして今年は、ロングリーチハーベストというすごい機械もご用意する予定です!これはいわゆるショベルカーの先が変形しているような機械で、木を抱きかかえるように捕まえて、下のほうを切って、ゆっくりと倒し、その倒した木を全部伐採したうえで、同じくらいの長さに切っていく、迫力があり、かつ大変優れモノであります!なかなか言葉だけではお伝えすることが難しいですが、もちろん産業祭当日は、その機械に載って写真を撮ることが可能。なかなかお目にかかれるものではありません。ぜひ記念にご覧ください!!
ブレイク中のお二人。リラックスして楽しく収録に臨んでおります。
7.従業員も募集中!
地元での評判も大変高く、最先端の林業を行っている有限会社 田中林業、現在従業員を募集中です!自然を相手に、森の中で、のびのびとした仕事ができます。山や森林に興味のある方はぜひご一報ください!ハローワークにも掲示しています。
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今年の募集は終了してしまいましたが、10月29日(日)の湯けむり婚活in川内高城温泉の開催にも携わるなど、商工会の活動にも積極的に取り組まれている田中専務。「林業というのは規模は決して大きくはないが、森林は人々の日々の生活においてなくてはならないものです。その森林をこれまで以上に守っていくこと、それが田中林業の使命だと考えています。」と、今後の抱負を述べてくださいました。
薩摩川内市の自然を守る若きエースの、益々のご活躍を応援しております!!
<有限会社 田中林業>
薩摩川内市陽成町 7299
TEL 0996-30-1506 FAX 0996-30-0704
E-mail tanaka-tree@po4.synapse.ne.jp
HP http://www.tanakaringyo.com/